60年の伝統と発展を刻み、次世代へ語り継ぐ空間
I-PEX Museum
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浜松ホトニクス株式会社 様
浜松ホトニクス株式会社(以下、浜松ホトニクス様)は、静岡県に本社を構える光関連の電子部品や電子機器を製造・販売する企業です。
光電子増倍管では世界シェアナンバーワンの実績を誇っており、「光を使いこなす技術を開発して社会に役立てる」ことを理念に、光技術を用いた新しい産業を創造しています。
浜松ホトニクス様が光技術の多様な可能性を世界に向けて発信するにあたり、当社は40年以上にわたって、空間演出を担当してきました。数々の受賞歴を記録したプロジェクトのひとつとして、浜松ホトニクス様主催のプライベートショー「PHOTON FAIR」があります。
本記事では、浜松ホトニクス様の高い技術力とフジヤの空間演出力をかけ合わせ、プライベートショーをはじめとする数々のプロジェクトを成功させてきた事例を紹介します。
「PHOTON FAIR」は、5年に一度開催される、光技術の多様な可能性を世界に向けて発信する浜松ホトニクス様主催のプライベートショー。「光で何ができるか」をテーマに、最新の製品や技術の展示、講演会やセミナーを通して浜松ホトニクス様の将来ビジョンを示しています。
担当業務:クリエイティブディレクション / デザイン / 設計 / 施工 / グラフィックデザイン <受賞歴> |
2018年に開催された「PHOTON FAIR 2018」では、「人」と「モノ」と「想い」が伝わる『共創空間』をテーマに、産業別の展示スペースをひとつの空間でつなぎ、来場者に自由な発想を楽しんでもらう演出を提案しました。
展示スペースでは、「くるま」「くらし」「健康・医療」「環境」「モノづくり」「学術研究」の6つの産業別テーマに基づき、最新の技術や製品を紹介。中央部には来場者がリラックスしながらアイデアを巡らせることができるサロン的共創空間(コミュニケーションゾーン)を設け、各展示スペースをつないでいます。複数のテーマからイメージを膨らませてもらうことで、新たな産業・市場創出を目指しました。
また、PHOTON FAIR 2018では、来場者に向けた「ストーリー性のある空間づくり」も強く意識しています。
入場時の暗転、大型の映像による迫力の演出、明るく開放的なメイン展示空間、そして帰りぎわには印象に残るエピローグ映像を。光と映像技術、空間による心理的な変化を利用して、来場者の導線をひとつのストーリーとして演出しました。
担当業務:プランニング / デザイン / 設計 / 施工 / 運営 / 演出(映像、ステージ)/ グラフィックデザイン <受賞歴> |
浜松ホトニクス様の創立60周年を記念した「PHOTON FAIR 2013」。
「HAMAMATSUから世界へ」をテーマにメイン展示の球体映像で、「素粒子-世界-宇宙」を表現。難解な素粒子物理学を中心とする世界観を光と共にエモーショナルに施し、浜松発のグローバルなものづくりを来場者に訴求しました。
また、展示では映像や壁面に「数値」を表示して、浜松ホトニクス様の製品の高品質、高均質、大量供給などを表現しました。さらに、数字の意味や素粒子物理学などの用語を、開発者のメッセージと共に映像で魅せることで、来場者が思わず見入ってしまう演出に。
数値の演出については、浜松ホトニクス様の社長から「教授や学生にも見せたい」と嬉しいコメントもいただきました。
「PHOTON FAIR」では、浜松ホトニクス様からテーマを提示いただき、展示空間としての具現化やデザインを当社からご提案する形で進めています。
提案にあたっては、まず「何でも聞いて学ぶ姿勢」で、企業や製品・技術の基本を理解すること。認識のすり合わせやディスカッションを積極的に行うことで、2013年のメイン展示である球体映像のアイデアも生まれています。
来場者から高評価をいただけるのは、技術力を深く理解した上で、それをクリエイティブに表現できていることが大きいと考えています。また、柔軟な対応や発想を常に心掛け、メンバー全員が全力で取り組むことで、プロジェクトの上流工程から信頼してお任せいただいております。
担当業務:プランニング、デザイン、設計、施工(一部)、グラフィックデザイン、映像制作 <受賞歴> |
2021年12月にオープンした東京ショールームでは、コンペティション形式を経て受注に至りました。「PHOTON FAIR」同様、浜松ホトニクス様の製品・技術の基本をしっかりと理解した上での提案が評価されたとのことでした。
VIPや海外からのお客様も来られる東京ショールームでは、没入感のある円形シアターを採用。来場者が、浜松ホトニクス様の理解を深めてから製品を見られるように、ストーリー性のある展示に仕上げました。
また、5連タッチモニターを使用した製品検索システムを導入することで、来場者が数多くの製品をタッチ検索することが可能に。知りたい情報を能動的にすばやく取得できるだけでなく、画面を見ながらその場で営業担当から説明を受けることで、満足度が上がり、商談につながりやすくなることが利点です。
駅前本社、本社工場(2021年)、東京営業所(2022年)、常光製作所(2022年)......など、当社は浜松ホトニクス様の数々のショールームの空間演出を担当しております。
各ショールームでは、幅広い分野の光技術を空間演出に応用しています。マテリアルやディスプレイ、映像演出の全ては「光」がデザインモチーフ。一口に「光」といっても、身近な明暗のイメージから、微小な「photon(光子)」に至る幅広いものを表現しています。空間に幅広い光技術を応用することで、来場者は「光技術が私たちの営みを支えていること」を体験することが可能になるのです。
常に求められていること以上の、ひとひねり、ふたひねりのきいた真新しさを提案することを心がけるー。この姿勢が、クリエイティブで独創的な空間演出のご提案につながっています。
浜松ホトニクス様の技術力に対応するには、当社のプロジェクトメンバーにも高度な空間演出技術が必要となります。そのため「プロとして同等である」こと、「同じ立場で会話ができる」ことを常に意識しながら、コミュニケーションをとっています。また、キャッチした情報をもとに、目標を達成できるようスピーディに提案を行う流れをつくり、さらなるクリエイティビティを突き詰めています。
当社と浜松ホトニクス様の関わりを一言で表すとしたら、「heart to heart」な関係。“クライアントと依頼先”という関係を超えた、人と人とのつながりを構築することが、長期的なお付き合いにつながっています。
振り返ると、当社が浜松ホトニクス様の空間プロモーションに携わることになったのは、およそ40年前。当時、呉服関係をメインに行っていたフジヤの浜松営業所が、大阪にて開催される総合展示会(現在は「PHOTON FAIR」に名称変更)の依頼をいただいたことが、きっかけでした。
それ以来、地元と人間関係を大事にする浜松ホトニクス様と同じ思いで各プロジェクトに取り組み、時には苦労を分かち合いながら、多くのプロジェクトを成功に導いてきました。
また、長年のお付き合いがあるからこそ、PDCAを回し続けてプロジェクトをより良いものに改善していける点が強みでもあります。毎回プロジェクトの成果を可視化できるように目標数値を設定し、その達成に向けて信念をもった提案を行っています。
今後も浜松ホトニクス様の精神「未知未踏に挑む」を土台に、最先端の光技術とフジヤの空間演出をかけ合わせ、様々なプロジェクトに取り組んでいきます。