PROJECT 02

グローバルブランドの未来を方向づける空間デザイン
MIZUNO TOKYO 全館リニューアル

プロジェクト概要

プロジェクト名 MIZUNO TOKYO 全館リニューアル
リニューアルオープン日 2020年03月20日
施工期間 約5ヶ月間
場所 東京都・神田
クライアント ミズノ株式会社
スペース 全8フロア
総面積1917㎡

新たなターゲットを取り込むブランドコンセプトを具現化する
ビッグプロジェクトが動き出した

「お客様にとっても、そしてフジヤにとっても一大プロジェクトになる」
チーフデザイナー佐川は、営業からフィードバックを受けた与件を聞いてそう思った。東京本社のある神田・小川町。スポーツ専門店が立ち並ぶ街に、有名スポーツメーカーのショップがある。1階から7階の店舗スペース、8階にイベントスペースを有する全8フロアのビルだ。その内外装の全面リニューアルが今回のプロジェクトである。1989年にショップがオープンして以来、30年目という節目の大改修だ。
「お客様はスポーツメーカーとして110年以上の歴史があるということもあり、現在、利用客の80%以上が40代以上の男性で、プロユースをターゲティングしたブランドイメージが強くあります。そうしたなか今回お客様からいただいたご要望は、『若者層、女性層、さらにはインバウンド顧客などの多様化する顧客ニーズに対応できるショップにしたい』というものでした」
お客様のブランドスローガン「REACH BEYOND(いつもその先に向かっていく)」を具現化する、重要なプロジェクトであることは明らかであった。

お客様とチームが一丸となることで
生み出された明確な未来コンセプト

コンペはディスプレイ業界最大手も参加するコンペとなった。オリエンテーションからプレゼンテーションまで約1ヶ月、さっそくプロジェクトチームを立ち上げた。佐川の上司を筆頭に、営業、グラフィックデザイナー、映像クリエイター、そして佐川といったメンバー構成である。
「チーム一丸となって、企画コンセプトから組み立てました」
活発な意見が飛び交うブレストを何度も繰り返し、山積みとなった資料と格闘し、ヒントになりそうな場所へも足を運んだ。試行錯誤を繰り返し、ベースのテーマが導き出された。
<コントラスト>(=対比・対照) 生まれ変わるプロショップ全体を表現する共通のテーマである。
「既存の利用客をメインターゲットとしながらも、若者や女性といった新たな層にも訴求できるコンセプトを打ち出しました。具体的には、ターゲットをフロアごとに分け、<コントラスト>を強調する手法です」
ショップ内で<コントラスト>をより明確に表現するために、1、2階をニューターゲット、3階から7階をメインターゲットとして、それぞれにコンセプトを設定した。
「1、2階は<CONNECT>(=つなぐ)というコンセプトで、新しい情報を発信し、世界中とつながっていくように。そして、3階から7階は<COMFORTABLE>(=快適性)をコンセプトに、ホスピタリティを高めていくフロアにしたのです」

  • ニューターゲット向け1・2階フロアコンセプト:<CONNECT>(=つなぐ)
  • メインターゲット向け3~7階フロアコンセプト:<COMFORTABLE>(=快適性)
  • お客様の製品アドバンテージと
    フジヤのデザイン力が合わさった空間づくり

    提案内容に強いインパクト性を持たせるためにも、プレゼンテーションでは映像を効果的に用いた。
    「チーム全員が総力を結集して完成度の高いプレゼンテーションを展開したことにより、お客様に賛同いただけたのだと思います」
    結果、見事にコンペを勝ち取り、本格的にプロジェクトが動き出すことになる。 「1、2階は先進性やトレンド、SNS映えする空間を目指しました。新たなターゲット層の満足度を高めリピートを促進するためには、コンセプトである<CONNECT>を体感していただくことが重要であると考えたからです」

    特に2階には、プロユーザーのみならずニューターゲットとなる若者や女性、インバウンド顧客を取り入れるため、ラテアートが人気のカフェ「STREAMER ESPRESSO」が併設された。それは、「『スポーツ』と『カフェ』を融合したミズノの新たなグローバルフラッグシップストアを創りたい」というお客様のご要望のもと、フジヤの歴史と経験に裏打ちされたデザイン技術を注ぎ込んだ革新的な取り組みでもあった。ドリンク提供カウンターの側面に陸上トラックで実際に使用されるゴム材を貼り、スポーツを肌で感じられる空間を創り上げた。世界に一つだけのMIZUNO×STREAMERのショップデザインは話題性もあり、SNSでの拡散を通じてミズノショップと世界をつないでいるのである。

  • 2階:カフェ「STREAMER ESPRESSO」を併設したことにより、利用客はコーヒーを味わいながらゆっくりとショッピングを楽しむことができる
  • 一方、3階から7階のメインターゲット向けのフロアでは、快適性を追求するため、売り場の視野と視認性を高め、目的のエリアまでスムーズに流れる導線を工夫した。さらにシニア層のお客様も多いことから店内の照度を高め、ショッピング中に一息つけるベンチも複数設置した。そして、もう1つ大きな目玉がある。
    「利用客にはプロユーザーや厳しい選択眼をもたれた方が多いのも一つの特徴です。そのような方に向けて、野球、陸上、バレー、サッカー関連の商品を実際に体感できるスペースを充実させました。それぞれの競技の床面を再現し、野球ではティーバッティングもできます」
    佐川は今回のプロジェクトに際し、兵庫県にあるミズノ波賀工場に赴き、デザインのヒントを探しにグラブが作られる工程などを観察した。お客様からは、「佐川さん、野球未経験ですよね。それなのに、これだけアツくなってくれるのはうれしい」と言われた。佐川の中には「リニューアルしたショップには、斬新でインパクト性のある、かつ当社にしか創れないものが欲しい」という想いがあったからだ。
    工場で佐川が目をつけたのは、グラブに使用される半裁革やグラブの革を切り出した後に残る端材である。これまで見てきたショップでは、目にしたことがないものであった。「これを店頭に飾れば、野球ファンには絶対にうける!」そう直感した。

  • 3階:多様なスポーツの床面を再現しその場でプレーを体験できる「体感コーナー」
  • 5階:グラブの端切れを利用した斬新なディスプレイ
  • 「工場の素材を活かした表現はミズノというメーカーだから叶えられました。お客様の製品アドバンテージや既存の利用客に対するブランディングに、私たちの戦略的なデザイン力が融合することにより、幅広いターゲットに対して新たな魅力と価値を創出する。それが私たちの使命であり、私にとっては一番のやりがいです」
    クライアントであるお客様とユーザーである利用客に強いインパクトを与え、購買に直結するモノづくりをする。佐川のその想いがフロアの隅々にまで行き届いている。そのような空間だからこそ、また足を運びたくなるのだろう。

    PROJECT STAFF

    • チーフデザイナー

      Yasunobu Sagawa

      佐川 安信

      入社後、展示会デザインの経験を経て、現在は専門店や飲食店などの商業施設、オフィスやショールームなどのコミュニケーションスペース、ジャンルを問わず幅広い分野のデザイン・設計に携わる。

      ■保有資格
      商業施設士、宅地建物取引主任者

    その他のプロジェクトストーリー

    WORKS

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